中華文化や台湾文化の研究に熱意を注ぐ林経甫さんが11月30日、自身が収集した中国大陸の少数民族、ミャオ族などの民族衣装335点を、私立輔仁大学(台湾北部・新北市新荘区)織品服装学科に寄贈した。寄贈は、同学科の創設者であるシスター、Maryta Laumann女史の80歳の誕生日を祝うためだという。
医療、芸術、ビジネス、企業、文化など様々な分野で活躍する林経甫さんは、敬虔なキリスト教徒でもある。台湾本土文化のルーツに高い関心を寄せ、台原芸術文化基金会や出版社などを自ら立ち上げた。また、伝統人形劇の人形の熱心なコレクターでもあり、これらの展示と公演を行うため、台原亜洲偶戯博物館(台湾北部・台北市)を創設している。
林経甫さんは15年前から、自身が収集したこれらの貴重な民族衣装の保管を、輔仁大学織品服装学科が設置した中華服飾文化センターに委託していた。
輔仁大学によると、林経甫さんは今回、大変価値のある民族衣装335点を同大学に寄贈することに決めた。これは同大学織品服装学科の創設者で、学科主任のシスター、Maryta Laumann女史の、台湾での宣教50周年と80歳の誕生日を祝うため。林経甫さんはこれにより、ドイツ出身でありながら、半世紀という歳月を同学科に捧げ、台湾のアパレル分野のために無数の人材を輩出し、且つ台湾の貴重な伝統衣装やアパレル文化を保存するために努力してきたMaryta Laumann女史へ感謝の気持ちを伝えたいとしている。
なお、民族衣装335点の内訳は、ミャオ族のほか、スイ族、プイ族、イ族、トン族などの中国大陸の少数民族、それに漢民族、貴州で開墾を行った漢民族などの民族衣装で、民俗学、歴史、工芸、人類学など各分野での研究価値のあるもの。これらの民族衣装は2017年1月13日まで、輔仁大学織品服装学科で展示される。